挽き物で綴る物語
木工旋盤という技法。
高速回転している材料に対して
一心不乱に鑿で切り込む作業を繰り返す。
旋盤に向かった時間だけが、
己の技術となり、
自らの要求に応えられる技となる。
明確な形状を頭の中に描き出し、
それを写し出せる確かな技術。
そうしてはじめてモノとなる。
熟練を必要とする、
木工の中でも最も難度の高い技法。
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クラフト照明
木を使った照明ではなく、
木で造った照明を・・・。
培ってきた旋盤の技術を用いて、
薄く、薄く削り出す。
灯りが透けて紅色に染まる素材、
その美しさに魅せられて。
理想のカタチを追い求めて、
ただひたすらに造り続ける。
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旭川の旋盤職人
その歴史は家具の部品製造の歴史でもある。
旋盤仕事が最も忙しかったころ、とにかく家具には旋盤によ
る装飾が施されていた。
一日に仕上げなければならない木地棒の数は数十本にもなっ
たという。
工房 灯のたねでは、そんな旋盤仕事の最盛期を知らない。
起業当初は技術の無さ故に、家具メーカーの部品製造すら任
されることは無かった。
それでも木工旋盤という機械に向かい続けることで、家具メ
ーカーの木地棒製作を任せてもらえるまでになった。
現状できうる最高の技術を提供する。
旋盤職人としてのプライドがここにある。
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木工旋盤で照明のシェードを造る
ただでさえ難しい木工旋盤において、薄く加工する
ということは更に難易度が高い加工となる。
材料を薄く加工していくと、その薄さ故、材料の剛
性が不足、切削の抵抗により材は振動を始める。
材が振れないぎりぎりを攻める技術と感覚が必要と
なる。
トドマツという針葉樹特有の松ヤニ、節、乾燥状態
の不均一さ等、癖の多い材を選択してもなお、得ら
れるその美しさ。材の特性を理解し、逆らうのでは
なく、寄り添うように加工する。
そうして薄く加工された材を光が透過する時、その
木肌は紅色に染まり、より一層美しく辺りを照らす
灯りへと生まれ変わる。
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